異国の地で新生活を始める際、最も気を付けなくてはならない事は賃貸の契約です。
最悪の場合、ぼったくり価格で契約してしまうと、その後1年にわたって損し続けることになります。
そこで、この記事ではマレーシアを含んだ外国に新しく住み始める方向けに「気を付けるべきこと」や「失敗しない賃貸契約の方法」を解説します!

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ルールが日本とは違うという事を知る


まず初めに理解する必要があるのは、日本とは契約のルールが根本的に違うということです。
当たり前の事なのですが、これは一度肝に銘じておく必要があります。
我々日本人は単一言語社会で暮らし、世界的に見て異質とも言える独特の文化を持っています。
労働文化一つとっても、グローバルスタンダードとはかなりかけ離れているのは事実。
比較的文化が近いであろう隣国とも海で隔絶された、所謂ガラパゴス化した世界の中で生きています。
そのため、誤解を恐れずに言えば、初めて海外に出るような日本人はカモにされやすいと言えるのです。

マレーシアの賃貸契約の落とし穴!仲介手数料


例えば、日本では賃借人側が払わなければならないお金として、仲介手数料が発生する場合がありますが、マレーシアでは法律で禁じられています。
一般的に、不動産エージェントはオーナー側から1ヶ月分の家賃と同額の手数料を貰うシステムです。
にもかかわらず、賃借人側に「仲介手数料が必要です」と言って、平然と騙してくる悪徳な業者もいるのです。
これはマレーシアの賃貸に限った事ではなく、どこの国へ行っても外国人なら警戒しなくてはならないこと。
中には日本人が運営する会社で、言葉を話せない日本人をターゲットに、〇〇手数料などと称してお金を多く取るようなところもあったりします。

酷い話ですがこのように、初めて海外で部屋を借りる人が、払う必要のないお金を払っているケースをよく耳にします。

インターネットで部屋を探す方法


日本にはSUUMOやHOME’Sなど、数々の賃貸情報サイトがありますね。
同様に、マレーシアにも知っておくと便利なサイトが多くあります。
以下にマレーシアでの有名な賃貸情報サイトとその特徴を紹介します。

PropertyGuru
僕が一番良く利用するのはPropertyGuruという業界大手のサイト。
地図から探せるので、視覚的にどこにあるのか分かりやすいです。

iProperty
物件情報の検索ポータルサイトとしては最大手です。
平均家賃の推移などが見やすくグラフ化されており、大手なのでデータも信用できます。

iBilik
学生など、家賃を抑えたい場合はルームシェア募集が多いiBilikを見てみるのもいいと思います。

Mudah
物件に限らず、「売ります買います掲示板」のようなサイトです。
個人オーナーとの直接取引の格安物件などがよくありますが、トラブルには要注意。

知っておくと便利なお部屋探しの用語

  • Studio → ワンルーム
  • 数字+Bedroom → 寝室数
    勘違いしやすいのですが、2Bedroomなら2Lなので、リビングを合わせて合計3部屋の物件です。
  • Fully Furnished → 家具付き
  • Partially Furnished → 一部家具付き
  • Unfurnished → 家具無し
  • sqft(スクエアフィート) → 広さの単位
    1sqft = 0.092903㎡

内見前にチェックすること


これらのサイトでいい物件を見つけたとして、そのままエージェントに連絡する前に2点確認すべきことがあります。

  1. 囮物件じゃないかどうか
  2. 家賃が適正かどうか

1点目、不動産エージェントは客を捕まえる為、囮物件を掲載することがあります。
これらのサイトは、ウェブサイト側が管理しているものではなく、物件毎にそれぞれのエージェントが独自に掲載するという形を取っています。
そのため、同じ物件が複数出ていたり、囮物件が掲載されるといった事が起こりえるのです。
他の部屋と比べて妙に豪華(完成前のイメージ画像が使われている事も)だったり、家賃が安かったり、写真では明らかに同じ間取りなのにsqft(スクエアフィート/広さ)が妙に大きかったりする物件は要注意。
待ち合わせして行ってみたら既に写真のところは売約済みで、全然違う部屋に案内される可能性が高いです。
そのため、僕は囮物件を掲載するようなエージェントは避けるべきだと思っています。

2点目、家賃が適正かどうかは、「他の部屋の値段と見比べる」、「PropertyGuruやiPropertyの平均家賃推移のグラフを見る」ことにより判断できます。
単純に他の部屋と見比べるだけでは、同じコンドミニアムでも広さや階層によって値段が変わるので確実とは言えません。
平均家賃推移のグラフは、需要と供給による家賃の下落までを反映し、1sqftあたりの価格までも詳細に調べる事ができます。
ここまで調べた上で問題が無ければ、ちゃんと見に行く価値のある物件です。

内見中に気を付けること


待ち合わせをして現地に行ってみると、エージェントが複数人いる場合もあります。
これはマレーシアの仲介システムによるもので、最初はびっくりするかもしれませんが気にすることはありません。
テナント側のエージェント、オーナー側のエージェント、コンドミニアムを専門とするエージェントなど、会社や個人により様々なタイプがあるため、鍵の受け渡しなどが複雑化されている場合があります。
従って、1回の内見でも部屋ごとにエージェントが交代する場合なんかがあったりします。
この辺りは後日別の記事で解説しますが、特に問題はありませんのでエージェントの案内に従いましょう。

部屋に入ったら、まずはエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電化製品がきちんと動作するかを確認しましょう。
シャワー水道の水圧のチェックも忘れずに。
たまに水圧が弱すぎることがあります。
また、壁や家具、その他設備の傷や劣化などは、契約前に全て写真に撮っておくことをオススメします。
何かあった時に、契約前の段階から傷があったことが証明できるようにしておくためです。

また、足りないものに関してはリクエストも出来ます。
例えば、テーブルがもう一つ欲しいとか、エアコンが古すぎるので交換してほしいなど。
その場で見ているだけでは気づかないこともあるので、部屋全体を写真や動画に収めておくと、帰ってから判断できるので便利です。

どんなに良い物件であっても、その場で契約書にサインするのは避けましょう。
きちんと複数物件を比較し、数日おいて冷静になってからエージェントに連絡した方が安全です。
内見した上で、選ばなかった物件のエージェントにもきちんと断りの連絡を入れてあげましょう。

英語が難しくとも、分からないところはきちんと分かるまで聞こう

契約の際、不明点を残すのは良くありません。
会社によっては、A4用紙20ページ以上にも及ぶ契約書なんかもあったりします。
面倒かとは思いますが、不利な条項が含まれていないかどうかきちんと目を通して確認しましょう。

その上で、不明な点があればエージェントにきちんと質問します。
むしろ、しつこいくらいの質問に丁寧に答えてくれるエージェントであれば、今後何かトラブルがあった時にも安心だと言えます。
借り手の事をきちんと考えてくれるエージェントを選びましょう。

一般的に契約までにかかる費用とは?


マレーシアの場合、一般的に以下のような費用が掛かります。

  • 頭金 家賃の1ヶ月分
  • デポジット(敷金) 家賃2ヶ月分
  • 光熱費のデポジット 家賃の半分
  • スタンピングフィー(契約書類の費用) 数千円

これら以外の料金を請求されそうな場合、注意が必要です。
頭金は住み始めた時の最初の1か月分の家賃として償却されます。
なので、初めて家賃を振り込むタイミングは入居から1か月後になります。
デポジットは特に何もなければ退去時に戻ってきますが、個人的な理由で部屋の備品を傷つけた場合は修理費として差し引かれます。
光熱費のデポジットは、退去時に未払いの光熱費の支払いに充てられ、余った分は返却されますが、足りなければ不足分を請求されることになります。

購入から入居までの流れを覚えれば、日本の契約よりもシンプル

オーナーに対して支払う礼金のようなシステムはありません。
日本では未だに礼金という悪しき風習が残っているようですが、そもそもオーナーはそこから年単位の契約期間にわたって利益を得るわけです。
ありがたく綺麗に使わせてもらうのは勿論ですが、さらに余分なお金を献上する必要は全くありません。

また、日本では超高額な鍵交換費用(2万円前後)などといった無駄なお金を取られがち。
勿論入居者ごとに鍵を変えているはずもなく、100%安全とは言い切れません。
しかし、マレーシアのコンドミニアムはアクセスカードが無ければその階どころか入り口にも入れないので、鍵を変える必要もないのかもしれません。
気になる方はエージェントやオーナーと直接交渉して、自費で変えることもできますよ。
その場合でも、日本よりはるかに安く済みます。

改めて考えてみると、注意点さえしっかり守れば日本の賃貸契約よりも無駄がなく、シンプルで合理的な契約方法となっています。
ただでさえ物価の安いマレーシア、特にコンドミニアムの物件は安価かつ質の高いものが揃っています。
入居後の快適な生活の為に、予算の中でよりよい物件を契約したいものです。
これを機に、地元のエージェントを利用してみてはいかがでしょうか?
日系の不動産紹介では扱っていない、掘り出し物件が見つかるかもしれません!

この記事のおさらい

まずはその国の契約方法について詳しく知ること!日本とは全然違う場合があります
写真など、記録できるものはできるだけ残すようにしましょう
うまく利用して、日本よりもお得に良い物件を契約しちゃおう