東南アジアの物価は安いことで知られていますが、実際にマレーシア生活でかかるお金の内訳をご存知ですか?
近年、マレーシアでの就労、留学、リタイア後の生活を考える方が多くなっています。
マレーシアは、ロングステイ財団が行っている「住みたい国ランキング」で2006年から2019年にかけて、14年連続No.1に輝いたほど日本人から注目されています。
しかし、現地での給料や日本円での貯金などが十分かどうか、実際の生活費が分からないとイメージしにくいものです。
そこで今回は、実際にクアラルンプールで暮らしている僕の例をもとに、普段の生活にかかっている金額から、ちょっと贅沢な生活をした場合の生活コストまで全て解説します!

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生活費の大部分を占める”家賃”について


どこで暮らすにも衣食住の「住」、すなわち家賃が付いて回ります。
マレーシアに限らず東南アジアでの生活には、コンドミニアムと呼ばれる集合住宅を利用するのが一般的。
多くのコンドミニアムにはジムプールなどの施設があり、日本のアパートやマンションを更に豪華にしたような住宅です。
多くの日本人は独立した部屋をレンタルしますが、学生の方は家賃を抑える為ルームシェアで暮らす人も多いようです。
そこで今回は、一人暮らし、ルームシェア、夫婦用の三パターンの家賃相場をまとめました。
日本人が安心して住める程度のセキュリティが備わっている物件の家賃となるので、ローカル価格よりは若干高めです。

一人暮らし用物件(Studioタイプ、または1 bedroom)

ロケーション/条件 マレーシアリンギット 日本円
KL市内駅近 RM1,700~2,000 4~5万円程度
日本人街(Mont Kiaraなど) RM2,000~2,500 5~7万円程度
車必須の地域 RM1,200~1,500 3~4万円程度

日本でワンルームと呼ばれるタイプの部屋は、マレーシアではStudioと呼ばれています。

ルームシェアの場合(Mastar bedroomを除く)

ロケーション/条件 マレーシアリンギット 日本円
KL市内駅近 RM900~1,300 2~4万円程度
日本人街(Mont Kiaraなど)
車必須の地域 RM600~800  1.5~2万円程度

Mastar bedroomと呼ばれる、自分の部屋にトイレやシャワーが付いているタイプはもう少し高くなります。
日本人が多く住むエリアにはあまりシェアタイプの物件は多くありません。
大学や語学学校の場合はその近隣に住むことになると思うので、Mont Kiaraは候補外としました。

夫婦用物件(2 bedroom以上、または家族向け物件)

ロケーション/条件 マレーシアリンギット 日本円
KL市内駅近 RM2,000~5,000 5~12万円程度
日本人街(Mont Kiaraなど) RM3,000~6,000 7~14万円程度
車必須の地域 RM2,000~4,000 5~10万円程度

このくらいの金額であれば年配の方でも最低限住めると思います。
勿論、お金に余裕のある方にはもっと高級な物件もあります。

家賃のまとめ

日本では、家賃は手取りの1/3までなどと言われていますが、マレーシアの場合はもっと低く抑える事が可能!
他の物の物価と比較しても、家賃は特に安い印象です。
ちなみに僕はKL中心街や日本人街の近くに住みましたが、実際の家賃はこの通り。

物件1 (Bukit Bintang):階層高め RM1,700
物件2 (Mont Kiara):普通の部屋 RM2,100
物件3 (Mont Kiara):広め、角部屋二面採光 RM1,900

全てStudioタイプです。
物件3はコロナ禍による外国人需要の低下で交渉が捗り、異常に安くなっているケースですが、大体のイメージはつかめると思います。
ちなみにマレーシアでは賃貸契約の際の仲介手数料はオーナー負担が一般的です。
契約の時に明らかに多すぎる費用を請求してきたら要注意!
日本人をターゲットにしている仲介業者もあるようです。

マレーシアでお部屋探しをする上での注意すべきことは以下の記事にまとめました。
参考にどうぞ。
マレーシアのお部屋探しで注意する事は?賃貸契約のルールを詳しく解説します

地味に毎月かかる”固定費”について


ここでは電気、ガス、水道、インターネット、携帯電話などの固定費について解説します。
まず最初に、マレーシアでガスは無い場合がほとんど
ガス管が引かれている物件は少なく、普通はプロパンガスのボンベがコンロの下に置いてある感じです。
しかし最近はコンロもIHが主流となっており、ガス代がかかることは無いと言っていいでしょう。
電気代は日本と同様、水道は上下水道分の料金がかかります。
また、ルームシェアの場合、家賃が”光熱費・インターネット込み“であることがあります。

ひと月当たりの水道光熱費 電気代 上下水料金 合計(日本円)
一人暮らし RM90~120 RM30~120 2,000~6,000円程度
ルームシェア 無料~RM40 無料~RM40 無料~2,000円程度
夫婦の場合 RM200~500 RM70~200 6,500~18,000円程度

インターネットはTIMEという一番有名な通信会社で契約する場合、500Mbpsのプランだと毎月約RM140ほど。
回線速度が遅くてもいいから安くしたい方にはRM100の100Mbpsプラン、オンラインゲームなどでネットを酷使する方はRM200の1Gbpsプランが良いかもしれません。
携帯電話は会社やプランにもよりますが、月にRM35~80程度と見ておけば大丈夫です。

マレーシアのガス事情

都市ガスは「Gas Malaysia Berhad」により一部の地域で供給されていますが、インフラはあまり整備されていないようです。

そのため、多くの家庭では上記のように、ガスボンベを置く形でプロパンガスを使用しています。
また、タンクを集合住宅共同で設置し、そこから各部屋にガスを送っている場合も。
個別タンクでガスが無くなってしまった場合は、オーナーに尋ねれば近隣の取次店を教えてくれたりもします。

料金は業者によって異なるので、比較してみるのもいいかもしれません。

固定費のまとめ


日本と比べ携帯やネット料金は割安と言えますが、エアコンの常時使用などにより電気代は高くなってしまうことがあるようです。
そして、電気代や水道代は滞納すると少額ですが利子が加算されます。
請求書が届いたら速やかに支払いましょう。

毎月の僕のおおよその実費はこちら

  • 電気代 (Tenaga elektrik) RM80
  • 上下水道 (Indah water) RM70
  • インターネット (TIME / 500Mbps) RM140
  • 携帯 (CELCOM / unlimited plan) RM35

いつも、合計が大体7,000~8,000円になっています。

人によってかなり変わる”食費”について


食費の価格は以下の二点により大きく変動します。

  • ローカルフードを食べるかどうか
  • 外国人の多いエリアに住んでいるか

日本では食費を抑えられるかどうかのポイントは「自炊をするかどうか」ですが、マレーシアではあまり重要ではありません。
基本的にレストランの食べ物は安いので、わざわざ材料を買って作る自炊の方が高くなるケースが多々あります。

ローカルフードと呼ばれる地元の人が普段食べている食事の価格は、KL市内なら一食RM10(約250円)前後、その他のエリアだとRM5~7(約125~175円)が一般的。
日本と比べると安いですが、やはり首都の物価は年々高騰しています、
ところが、日本食レストランだと一皿RM20(約500円)以上となることがほとんど。
どうしても日本食しか食べたくない方以外は、ローカルフードを織り交ぜて節約することが可能です。

また、外国人が多いエリアでは物価が高くなる傾向があります。
以下がその主なエリアです。

  • ビジネスマンの多いKLCCやKL sentral付近
  • 駐在員や教育移住の家族連れが多いMont Kiara
  • 駐在向けの住宅街Solaris
  • リタイアメント人口の多いTaman Desa

一人あたりの食費/月

  1. ローカルエリアに住み、ローカルフードを食べる場合……RM700~1000(2万弱~2.5万円)
  2. ローカルエリアに住み、日本食しか食べない場合……RM1,500~2,100(4万弱~5万円強)
  3. 外国人エリアに住み、ローカルフードを食べる場合……RM1,100~1,600(3万弱~4万円)
  4. 外国人エリアに住み、日本食しか食べない場合……RM1,600~2,200(4万~5.5万円)

※お酒は計算に含めません。

国教がイスラム教であるマレーシアではお酒にかかる税が高く、割高な嗜好品となっています。
なのでここではお酒は一旦抜きにして考えます。

僕の場合ローカルフードの味が好きなので、あまり日本食は食べません。
つまり上記の表だと3にあたります。
実際は大体RM1,300(3万円ちょっと)になっていることが多かったです。

その他、マレーシア生活でかかる費用は?


衣服や各種消耗品、パソコンなどが壊れたら買い直すための費用、生活を豊かにするための雑貨などが考えられます。
まず、衣服は日本と比べ出費がかなり抑えられます。
気候的に衣替えもなく、スタイルの流行り廃りがあまりありません。
記事が薄いシャツなどが多いので、価格も安いです。
しかし、ユニクロH&Mなどのファストファッション店の製品は日本より高額に設定されている場合が多いので、このあたりのブランドを好む方は日本で買うと良いでしょう。

消耗品類に関してはピンキリです。
例えばトイレットペーパーも20ロールで200円以下のものもあれば、日本と同じようなクオリティの高級なものもあります。
どの程度のレベル製品を使うかどうか、自身のお財布の状況と相談しましょう。

ガジェット系に関しては交渉して買うのが安くするコツ。
この辺りもまた機会があれば解説します。

実例として、僕の場合は1月あたりの使途不明金は約RM2,000
何に使っているのか謎です。
おそらく、遊びに行く時の交通費や外食、ジムの会費なんかが含まれます。

実際にかかっている生活費実例

家賃 RM1,900
通信・光熱費 RM225
食費 RM1,300
その他 RM2,000
合計 RM5,425
日本円換算 約135,625円

こんな感じになりました。
僕の場合、2021年6月現在の基本給はRM8,000です。
おそらくコールセンターで働いてる人の場合はもっと高いと思われます。
現地採用として働く場合、多くはRM6,000~10,000のレンジに収まっていると思いますので、無理なく生活できる上に日本で働くよりも貯金額は上回ります。
詳しくは、現地採用についての記事を書こうかと思います。

以上から逆算し、自分が生活可能かどうかを計算してみて下さいね。
では今日はこの辺で。

この記事のおさらい

家賃は日本と比べてかなり安い
電気代は日本とほぼ変わらず、それ以外の光熱費は安い
食費はローカルフードが好きなら、出費をかなり抑えられる