マレーシアには1つのレストランだけではなく、様々な飲食店が集まるフードコートのような形態のお店がよくあります。
それは、多民族国家特有の文化から発展した独自の”フードコートのような飲食形式”。
見た目は少々汚いお店が多いのですが、美味しいものが沢山あるんです。

しかし、初めて見た日本人の方ならきっと、以下のような疑問が浮かんで入店を躊躇してしまうはず。

  • 何のお店?
  • どうやって注文するの?
  • どれが美味しいの?
  • 衛生面が心配

今回の記事では、マレーシアで一般的なフードコート文化を4つほどご紹介させていただきます!
勿論、外国人が入りやすい綺麗なフードコートもありますので、合わせて紹介します。

スポンサーリンク

マレーシアにある、代表的な飲食施設4選

フードコートスタイルの飲食施設として、特に代表的なものは以下の4つです。

その名も……

  1. 19世紀、経済成長と共に発展した
    「Hawker centre(ホーカーセンター)」
  2. インド系ムスリムの大衆食堂
    「Mamak(ママッ)」
  3. 海南出身の華人が源流
    「Kopitiam(コピティアム)」
  4. ショッピングモールには必ずある、現代的な
    「Food court(フードコート)」

これらはそれぞれが違う文化的背景のもとに発展してきており、違いを知ることでより深くマレーシアを楽しむことが出来るのではないかなと思います。
また、実際に食べる事が出来る美味しい料理の例なども併せて解説していきます。

Hawker centre

Hawker centre(ホーカーセンター)とは、1960年代の経済成長期に発展した飲食スペース。
昔は衛生状態の悪い個人店が台頭しており、それを改善するために設けられたのが始まりだそう。
開放感のある大きなホールに、飲食店が連なっている写真のような形が多いです。

後述するKopitiam、Food courtと混同されますが、色々な違いがあるとはいえ、Hawker centreはそれらの前身のようなイメージ。
今ではFood courtの方が一般的になってしまいました。

Hawkerの亜種として、フードトラックのようなちょっとオシャレな飲食スペースもありますよ。
※KLCC駅付近にありましたが、2021年8月現在はMCOのためただの広場になっています。

Mamak

Mamak(ママッ)とは、インド系ムスリム文化より始まった大衆食堂
主にマレー系やインド系マレーシア人の若者がよく利用する傾向にあり、有名ローカルフードのロティもここで食べることが出来ます。

ロティとはマレー語でパンの意。
何も具が入っていないロティ・チャナイだけでなく、バナナを入れたロティ・ピサン、チーズの入ったロティ・チーズ、マーガリンがたっぷり入ったジューシーなロティ・ボム、薄くクリスピーに焼いたロティに砂糖やコンデンスミルクをつけていただくロティ・ティシューなど、様々なバリエーションが存在します。
ドリンクは1杯RM1~RM4程度で提供されるので、それを飲みながら友達と雑談を楽しむのが一般的。
モニターでスポーツ観戦ができるようになっているMamakも多く、ムスリムはお酒を飲まないので、スポーツバーならぬスポーツカフェといった使い方をする人も多いです。

ロティだけでなく、ナンもその場で焼いてくれるお店も

また、Mamakの中で特筆すべき食べ物はナシカンダーと呼ばれるカレー料理。
配膳はビュッフェスタイルになっており、まずはご飯(またはビリヤニ)を盛ってもらい、その皿に好きなだけおかずやカレーをかけてお会計します。
非常に辛いカレーからマイルドな豆カレーまで種類は様々なので、辛いのが苦手な方はどれが辛いのか店員に質問してみると良いでしょう。
色などから辛さを判別することは難しいです。

Mamakはどこのエリアでも至る所に見られます。

Kopitiam

Kopitiam(コピティアム)は、中華系の庶民的なフードコート兼カフェといったところ。
しばしばHawker centreと混同されますが、マレーシアでは明確に区別されます。
Kopitiamは基本的に中華系のお店だけで構成されています。

かつてマレーシアに、元々給仕や料理人の職に就くことが多かった海南人が多く移民してきました。
香港やマカオ、マレーシア、シンガポールなどに多く見られる文化なのですが、彼らはコーヒーや紅茶から独自の焙煎/抽出方法を編み出し、独自の食文化体系を確立しました。
コピ(コーヒー)、チャム(コーヒーとお茶のミックス)等といった甘めの味付けのドリンクと共に、朝食を頂くのがKopitiamの醍醐味

特にオススメなのは、サクサクのトーストにココナッツから作られる”カヤジャム”とバターをたっぷりと塗った、カヤバタートースト
温泉卵のような半生の卵に胡椒少々と醤油をひとたらし、そこにトーストをディップしながら食べるのが伝統的なスタイル。

マレーシアだけでなく、Kopitiamはシンガポールなどの華人の多い国に多く見られます

最近ではそのレトロな雰囲気がブームとして再燃しており、若者が注目するちょっとオシャレなKopitiamも作られたりしています。
麺類や点心など、やはり朝食~昼食に適した料理が多く、平日のお昼休憩にはKopitiamで食事をする中華系の方が多く見られます。
美味しいと有名なKopitiamはいつも満席なので、お昼どきからちょっと時間をずらして行ってみるといいかもしれません。

マレーシアでは、Kopitiamは中華系が多く住む住宅地(例:Kepong、Cheras)やPasar Seniなどの中華街によくあります。

Food court

日本でもお馴染み、フードコートです。
ショッピングモール大国であるマレーシアは、一駅に一つと言っていいほどショッピングモールが豊富。
そのほぼすべてにフードコートが内蔵されています。

これまで紹介したものと違い、フードコートの魅力はその「清潔さ」
知り合いの留学アドバイザーは学生に、慣れるまでの間は必ずショッピングモール内のフードコートで飲食するよう指示するそうです。
僕はそれは流石に過保護だと思いますけど……。

勿論ショッピングモール内のフードコートでも、日本では見られないようなローカルフードは沢山あります。
ローカルフードの有名店が支店としてフードコートに出店することもあるので、味も結構安定しています。
ただ、都市部だと値段がちょっと高いかも。
一食当たりの目安は大体RM10~20程度になることが多いです。

よりローカル感を感じたい方には、PavilionやMid Valleyなどの近代的なショッピングモールより、Sungai WangやBerjaya Times Squareなどのちょっと古めのショッピングモールがより楽しめると思います。

多様性のあるマレーシアの食文化から形成された、独自の外食文化

僕がマレーシアに来て、初めてのマレーシア人の友達が言った言葉。

「マレーシアはフードヘブン、食べ物には困らないよ」

……とのこと。

しかし、当時はそこまでマレーシア=食べ物というイメージもありませんでした。

ですがその言葉通り、3年目の今はすっかりマレーシアフードの虜。
マレーシアの食文化の魅力は、なんといってもバリエーションが豊富なこと。
それはこちらの記事でも詳しく紹介しています。

マレーシア移住して良かった事と悪かった事それぞれ5つ!ランキング形式で紹介します

この記事のおさらい

知人と一緒にどこかに食べに行くのが大好きなマレーシア人ですが、意外とそれぞれ味の好みにうるさいワガママな一面も。
そこで、それぞれが好きな料理を注文できるマレーシア独自の食堂文化、フードコートのようなスタイルが確立されていったのではないかなと考えています。

お喋りしながら食事できるこれらの施設は、みんなで外食するのが大好きなマレーシア人にとって欠かせないコミュケーションの場でもあります。
立地にもよりますが、軽食からしっかりとした食事まで幅広く提供されており、一回の食事あたりRM5~RM15で満足できるので非常に経済的でもあります。
ローカルフードが好きな方や、お小遣いの少ない留学生にもオススメできますよ。
是非、試してみてくださいね。

マレーシアなど東南アジアでは、フードコートのように色々な店舗が集まっている飲食スペースが多くある
文化や時代背景から、マレー系や中華系など色々なタイプの食文化がある
外国人向けのレストランと比べると、総じて金額は安いので節約にオススメ