特に有名なのは「ナシレマ(Nasi Lemak)」。
逆に言えば、ナシレマ以外あまり名前を知らない人が多いのではないでしょうか。

この記事では、数あるマレー系料理の中から有名なものや、僕が特に好きなものを厳選して紹介します。

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マレー系の料理とは

マレー系料理とは、マレーシアの三大民族のうち、6割とマジョリティを占めるマレー系と呼ばれる人種が主に食べている料理。
マレー系はムスリム(イスラム教徒)なので、豚やアルコールを含む食材を口にすることはできません。
それらの食材を使っていない、ムスリムフレンドリーな商品や食品を一般に「ハラル(Halal)」と言います。
また、既製品だとしても、ハラルマークと呼ばれるイスラム教徒が食べられる食材であることを証明する認証がついている商品しか食べません。

つまり、マレー系料理には特定の食材を使えないといった宗教的制約があります
しかし、アルコールや豚の脂などの旨味を利用せずとも、工夫によってまた違った美味しさを作っているのが面白いところ。

代表的なマレー系料理の紹介

ご飯もの

ナシレマ(Nasi Lemak)

マレーシアを代表する料理。
直訳すると「油ご飯」と、なんとも健康に悪そうなネーミング。
でも実態は、油=ココナッツ油脂のこと。
ココナッツミルクで炊かれているので、ふんわりとココナッツのいい香りがするご飯です。
サンバルソースという辛いソースやピーナッツなどが付属します。

ナシゴレン(Nasi Goreng)

マレーシアの炒飯、ナシゴレン。
インドネシアにも同じ料理があります。
実は意外にも種類が豊富で、以下のようなナシゴレンがあります。

ナシゴレン・カンポン(わりとベーシックな味、店により味が違う)

ナシゴレン・チナ(中華系炒飯に近い)
ナシゴレン・パタヤ(薄焼き卵で包まれたオムライスのような形)
ナシゴレン・イカンマシン(塩漬けの魚入り)
ナシゴレン・トムヤム(トムヤム味)
ナシゴレン・USA(チリソースっぽい)……など、他にも色々。

ナシククス(Nasi Kukus)

個人的にマレー系のご飯ものの中では一番オススメなのが、ナシククス。
蒸したお米がモチモチ、ふわふわな触感!
画像は作ってるところですが、お皿に盛り付けられるとナシレマと違いが分かりません……笑
アヤムゴレン(フライドチキン)がついてくることが多いです。

ナシクラブ(Nasi Kerabu)

初めて見た時はびっくり、青いご飯。
青色一号ではなく、ちゃんと自然由来の着色ですよ!
ナシクラブのお米は、バタフライピーという花を使って青く色付けします。
お茶に使われることが多く、地元民はよく自宅の庭で栽培していたりします。

ナシルマン(Nasi Lemang)

もち米とココナッツミルクを竹に詰め、蒸し焼きにした料理です。
そのまま食べると少しデザート感のある味ですが、意外にカレーともよく合います。
後述するルンダンなどと合わせて食べる事が多いです。

カレー系

ルンダン(Rendang)

実はCNNでも、世界一美味しいカレーとして取り上げられたルンダン。
濃厚なカレーソースと柔らかく煮こまれた牛肉がめちゃくちゃ美味しいです。
辛くないので、マレーシアのカレーの中では日本人が食べやすい部類かと思います。

アメリカのニュースメディアCNNで年に1度発表される「世界一おいしい料理」トップ50。2019年はタイ料理「マッサマンカレー」が1位を獲得。2020年版もアジア料理が注目され、インドを発祥とし、マレーシアやシンガポールでも愛されている肉料理「ルンダン」が1位の栄光に輝きました。

食楽WEB – 「世界一おいしい料理」1位に輝いたインドネシア発祥の肉料理「ルンダン」を食べてみたより引用

アッサムペダス(Asam Pedas)

すっぱ辛い!!滅茶苦茶味が濃い!
カレーなのか、スープなのかはちょっと微妙なところ。
でもご飯との相性は抜群!
マラッカで食べたエイが入ってるやつ(上の写真)が美味しかったですね。

マサッテンポヤ(Masak tempoyak)

テンポヤとは、ドリアンを発酵させた調味料。
クリーミーで濃厚なドリアンの美味しさを濃縮したかのような、それでいて生のドリアンともちょっと違う謎の香り。
テンポヤのクリーミーさを生かしながら、酸味の強いスープを作ります。
ちなみに僕は、中でも特にパティンという魚のテンポヤ、イカンパティンテンポヤ(Ikan patin tempoyak)がイチオシ

肉・魚料理

サテ(Sate)

マレーシアを代表する串焼き料理です。
鶏肉のサテ・アヤムだけでなく、羊(カンビン)も美味しい。
なんとも信じがたいのが、甘めのピーナッツソースにディップして食べます。
肉自体にも味が付いているので、甘じょっぱい味わいに。

イカンバカー(Ikan Bakar)

海の近くの町では必ず目にする、マレーシアの焼き魚料理
まぁ名前がモロに「焼き魚」という意味なんですけどね。
サンバルなどで辛く味付けされている事が多いです。

魚が新鮮な地域だと美味しく、都会だとあんまり美味しくない印象。
ちなみに魚の種類が選べたりします。

マレー系料理のマレー語解説

慣れてきたら、マレー系のお店ではマレー語を使って注文してみましょう!

食材の名前

メインとなる肉や魚の名前から解説します。
以下によく出てくるものをまとめたので参考にしてください。

肉全般   ダギン(daging)
鶏肉   アヤム(ayam)
牛肉   ルンブ(lembu)
羊肉   カンビン(kambing)

卵   テロー(telur)

魚全般   イカン(ikan)
イカ/タコ   ソトン(sotong)
エビ   ウダン(udang)
カニ   ケタム(ketam)
エイ   イカンパリ(ikan pari)
イワシっぽい魚   イカンサーディン(ikan sardin)
ナマズっぽい魚   イカンパティン(ikan patin)
謎の魚①   イカンテンギリ(ikan tenggiri)
謎の魚②   イカンマボン(ikan mabong)

豚はバビ(babi)と言いますが、使ってはいけません。
豚は「不浄なもの」、転じて悪口としても使われるからです。

マレーシアではなぜかイカもタコも同一視されています。
イカゲームが流行った時、マレーシア人達のSNSの中で「マレーシアでのイカとかタコの呼び方は変!」っていうインターネットミームが流行りました。

そんなソトンの中でも、特にタコを指定したい場合、CIMB sotongと言えばいいらしい。
CIMB銀行のキャラクターがタコなので……。

トレすけ

マレーシアでは意外にエイがよく食べられている!
なんか正体不明の魚もありますが、美味しいです。

米   ナシ(nasi)
パン   ロティ(roti)

料理名や、レストランでの会話によく出てくる単語

前述の食材名と合わせて、調理法が料理の名前になっている事が多いです。
意味を知っていれば、初めて見る料理でもある程度どんなものか想像がつくようになります。
切ってほしいときなど、細かい指定をする時にも使えますね。

焼く   バカール(bakar)
炒める/揚げる   ゴレン(goreng)
茹でる   ルブス(rebus)
蒸す   ククス(kukus)
混ぜる   ロジャッ(rojak)
引っ張る   タリッ(tarik)
細かく切る   ポトンポトン(potong-potong)
普通   ビアサ(biasa)
スープ   スプ(sup)

甘い   マニス(manis)
辛い   プダス(pedas)
酸っぱい   アッサム/マッサム(asam/masam)
しょっぱい   マシン(masin)

覚えておくと便利な、マレー語の数字

単語の次は数字を覚えましょう。
入店時の人数説明、1個、2個、と個数を指定する時や、お会計まで使えます。

例えば、フライドチキンの乗ったナシレマが2つ欲しければ
「Nasi Lemak Ayam Goreng, dua」
と言えば通じます。

また、0=コソン(Kosong)には「無し」という意味があり、転じて「砂糖無し」「甘さ無し」の意味を持ちます。
こちらは飲み物を注文する際に
「Limau ice kosong, satu」
と言えば、全く甘くないアイスレモネードが一つ来ます。

「甘さ控えめ」と言いたい時は、コソンではなく「クランマニス(Kurang manis)」

0   コソン(kosong)
1   サトゥ(satu)
2   ドゥア(dua)
3   ティガ(tiga)
4   アンパッ(empat)
5   リマ(lima)
6   アナム(enam)
7   トゥジョー(tujuh)
8   ラパン(lapan)
9   スンビラン(sembilan)
10   スプロゥ(sepuluh)

11   スブラス(sebelas)
12   ドゥアブラス(duabelas)
13   ティガブラス(tigabelas)

20   ドゥアプロ(duapuluh)
30   ティガプロ(tigapuluh)
40   アンパプロ(empatpuluh)

100   スラトス(seratus)
200   ドゥアラトス(duaratus)
300   ティガラトス(tigaratus)

この記事のおさらい

マレー系料理はハラルなので材料に制約がある
けど、色々工夫しているから美味しい
なんか見た目が似てる料理が多いけど、意外と味が違う