マレーシアの名産品、ドリアン。
7月現在、マレーシアではドリアンのシーズン真っ只中!
ドリアンは6月中旬~8月頃と、12月~2月頃までの年二回、シーズンを迎えます。

この時期にお店に行くと、様々な種類のドリアンが並んでいます。
これらは味も値段も様々で、マレーシア人は自分のお気に入りの品種を決めていたりするのですが、あまり詳しくない方にとっては選ぶのが難しいかもしれません。

そこで、この記事ではドリアンの代表的な品種の味の特徴を紹介
また、ドリアンの基礎知識や、美味しいドリアンの選び方まで解説します。

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代表的なドリアンの品種と味の特徴

解説の前に、このブログではドリアンの味は、甘味、苦味、発酵味の3つで表現します。
しかし、味は時期や産地による個体差が大きい部分なので、販売店によって変わる可能性があることをご了承ください。
クリーミーさや、種の大きさ(可食部の多さに影響)も考慮してレビューしています。

また、ドリアンにはマレー語表記、中国語表記、英語表記があります
例えば、Udang Merah。
これはマレー語で、”Udang” = “エビ”、”Merah” = “赤” なので「赤いエビ」いう意味の名前。
お店によっては中国語で”红虾”や、英語で”Red Prawn”と表記されている場合もありますが、どれも同じ品種です。
そのため以下の品種紹介では、よく使われる名前が複数存在する場合は併記させていただきます。

D+数字で表記されるドリアンは、品種番号です。
発見、品種改良された順でナンバリングされており、例えばD24なら24番目に品種として登録されたドリアンという意味。
現在ではD200を超える種類が存在します。

それでは、以下より紹介本編をどうぞ!

Musang King / 猫山王

画面左がMusang King

まず、最初に紹介しなければならないのはMusang King。
Musang Kingはマレーシアの高級ドリアンとして知られ、滑らかな果肉と濃い味が特徴の人気品種。
強い甘味と少しの苦味、発酵味を持ち、非常にバランスが良いドリアンです。

果肉は鮮やかな黄色をしており、他のドリアンと並べると色の差は一目瞭然。
種は平たく、可食部は多めです。
次に紹介する”Black Thorn 黒刺”と並んで値段が高い品種です。

最近では中国を中心としたアジア各国での需要が増えており、輸出が盛んな品種です。
そのうち日本へも大々的に輸出されるようになるかも?
観光客にも大人気で、初めてドリアンを食べる方にもオススメできます。

名前についてですが、たまにMusang KingのKingをWangと言ってくる人も居ます(Wangは王の中国語読み)。
主な産地はパハン州。

Black Thorn / 黒刺

Black Thornは現在流通しているドリアンの中で最も価格が高い、最高級品種と言えます。
Musang Kingと同じく味のバランスが良いだけでなく、果肉が柔らかく濃厚なドリアンの風味を持ちます。
ドリアンの香りが好きな方にはオススメな品種で、値段が少し安くなるシーズン中に是非とも試していただきたい品種です。

果肉はMusang Kingと比べて若干オレンジみを帯びている感じ。
僕が試した時、種が丸っこい形をしており、可食部はMusang Kingよりは少ない印象でしたが、1度しか試したことが無いので個体差かもしれません。
名前の由来は花の雄蕊が変形し、果実の底に黒い棘のようなものが形成されることから、そう名付けられたようです。
主な産地はペナン州。

D24 / Sultan Durian

Dシリーズの中でも、僕が一番気に入っているのがD24。
価格は上の2品種と比べると安く、少しだけ庶民的なドリアンと言えます。

果肉は薄いクリーム色~白色で、濃厚なクリーミーさが特徴!
硬めのホイップクリームのような、こってりとした滑らかさを味わえるドリアンです。
強いて言うなら甘味が強めですが、全体的にあまり味は濃くありません。
種は球体ですが、可食部自体が大きい個体が多い気がします。

イスラム教国の君主という意味を持つSultanの名を冠して、Sultan Durianという異名で呼ばれることもあるとか。
いつでも手に入りやすいのもポイントです。

XO

数あるドリアンの中でも特に大人向けと言えます。
その理由は、強い発酵味とそれを引き立てる苦み
酔うほどではありませんが、少しお酒を飲んでいるかのような感覚になります。

果肉は薄い黄色で柔らかく、クリーム感が好きな人にとっては少々水っぽいと感じるかもしれません。
こちらも主な産地はパハン州。

Kim Hong / 金凤 / D198 / Golden Phoenix

これ、お店によって名前が統一されてないドリアンNo.1だと思います。
Kim Hongは非常に甘みが強く、苦味や発酵味は弱め。
シーズン中以外で売りに出る事が少なく、ちょっとレア度の高いドリアンです。

色が薄く、滑らかな触感の果肉はD24と似ているかもしれません。
しかし、Kim Hongの最大の特徴はその種の小ささ!
小指の第一関節くらいの小ささなので、可食部が他のドリアンと比べて圧倒的に多いです。
甘くてクリーミーかつ種が小さくて食べやすいので、お子さんにオススメかもしれませんね。

Udang Merah / 紅蝦 / Red Prawn

Udang Merahは苦みと発酵味が強く、適度な甘みも持ち合わせたドリアン。
熟成したワインのように、フルーティかつ重厚な風味をもっています。
果肉はその名の通り、肌色~少し赤みがかかったオレンジ色。

僕が初めて食べた時、味がせず、水っぽくてあまり美味しくないなという印象でした。
しかし、後に分かった事ですが、Udang Merahは偽物が多く出回っているらしい。
多分アレは偽物だったんじゃないかなと思います。
その後、本物を食べた時は結構美味しかったです。

D101

長くて鋭いトゲを持った大型のドリアンです。
なんと、1個の重さが最低でも2kg以上あるのが普通。
それに合わせて可食部も大きくなってます。

もちろん甘味や苦みもあるのですが、実はD101にはドリアンには珍しく酸味があります。
腐ったわけではないのでご安心下さい。
そういう品種です。
ただ、高品質なD101に当たれば酸味が無いこともあります。
味の個体差が大きいドリアンですね。

D13

13番目に開発されたドリアンなので、かなりの歴史を持っており、長い間マレーシア人に親しまれてきました。
甘味が強く安価なので、初めての方にもオススメ
1kg前後の小型のものが多く、一人でも食べ切りやすいサイズです。
ただし、果肉が柔らかく崩れやすいため、持ち帰る際の衝撃で箱の中でグチャグチャになりやすいのがネック。
以上の事から、お店で買ったらその場で食べる方が良いと思います。

また、低品質のD13をUdang Merahなどと偽って販売しているお店もあるので注意。
主な産地はマラッカ州やジョホール州です。

Tracka 竹脚

何とも不思議な名前のドリアンですが、ドリアンの女王とも呼ばれるほど味に定評のある品種です。
売っている時期が短く、栽培数が少ないので結構レア度高めだそうです。

果肉はクリーム色で、口どけのいい非常に滑らかな触感と強めの苦みが特徴のドリアンです。
好きな人は好きといった感じで、人を選ぶドリアンかもしれません。
見つけたら是非挑戦してみて下さい。
主な産地はジョホール州です。

Kampung Durian


Kampung Durianは、直訳すると田舎ドリアン。
値段が最も安く、真に庶民的なドリアンと言えます。
これは品種名が付いているブランドドリアンではなく、言うなれば雑種。
雑種と言っても山に生えているドリアンとは違い、ちゃんと食用なので味はそれなりに美味しいです。
特にシーズン中は各品種に勝るとも劣らない味で、抜群のハイコストパフォーマンスを見せつけてくれます。
僕もKampung Durianを普段使い用にしてます。

ただし、味の当たり外れが激しいのはご愛嬌!
マレーシア各地で栽培されており、産地毎に味も様々です。

美味しいドリアンの選び方

基本的にお店の人に任せるのが一番です。
しかし、中には在庫処分の為にあまり美味しくない個体を押し付けようとしてくる悪質な業者も存在します。
自分でも見極めるポイントを押さえておくと、ハズレを引く可能性が減りますよ!
店の人に「あっ、こいつドリアン詳しいな?」って思わせれば、変な個体を売られる心配も減るでしょう。

ドリアンを実際に手に取って、見分けてみよう

  1. 手にとってみて他と比べて重さが軽いもの
  2. 果実を振って中の果肉が揺れるもの
  3. 鼻を近づけて香りが強いもの

ドリアンは基本的に朝収穫され、収穫後8時間くらいが食べるベストタイミングと言われています。
収穫から店頭に並ぶまでの間に、少しずつ水分が蒸発しながら発酵します。
重さが軽い、中の果肉が揺れるといった特徴は、水分が十分に減ったサイン。
ねっとりとした濃厚なドリアンが完成している証拠です。
また、殻の香りが強いものはよく熟れているので、甘いドリアンになっている可能性が高いです。

実は、残念ながら観光客や外国人には「どうせ分からないだろう」と思って、あまり美味しくないドリアンを高級品種と偽って売ってきたりする場合があるのです。
ドリアンを苦手とする日本人がやたら多いですが、そういう人は“観光で来た時、初めて食べたドリアンがまずかった”といった経験をしたのではないか、と僕は考えています。
まぁ単純に苦手な人も居ますけどね。
まずくても文句を言わない人が多いので、そういう扱いを受けてしまいがち。
しかもそれで苦手になって、ドリアンの魅力を知らないままマレーシアを去るのはもはや悲劇です……。

1番安全な方法としては、マレーシア人の友達と一緒にお店に行ってみるのが良いかと思います。

ドリアンはシーズン中に買うべきである理由

前述の通り、ドリアンのシーズンは6月中旬~8月頃と、12月~2月頃までの年二回あります。
シーズン中は売られるドリアンの数も増え、普段はないドリアンの屋台が至る所に出店したりします。
旬の果物は味が良くなるというだけでなく、値段もオフの時とは比べ物にならないほど安くなります。
店によっては半額以下になることも!

また、シーズン中に農園を訪れると定額で食べ放題なんかのイベントをやってたりします。
KL近郊だと、パハン州のラウブや、ヌグリ・スンビラン州のスレンバン周辺なんかに農園がありますね。

マレーシアの物価からすると、ドリアンは高級な嗜好品です。
色々なキャンペーンを利用して、賢く食べると節約になりますよ。

ドリアンのシーズンはなぜ年二回あるの?

自然の果物なのに、何故シーズンが年二回もあるのか不思議に思った方も多いと思います。
基本的に果物や野菜のシーズンは年一回だけ、或いはシーズンがなく年中手に入るようなものばかり。

お察しの通り、これはドリアンの生態によるものではなく、農園側の都合による人為的なもの。
まず、ドリアンの流通がシステム化されてきたのが1990年代。
当時は3月がドリアンのシーズンだったようです。
しかし、国内での需要が高まるにつれ、農家の方は何とか安定的に供給が出来るように、二毛作のようなことを始めようとしました。

ただ、ドリアンは木なので、1つの農地で簡単に時期を分けることは出来ません。
そこで研究を重ね、芽吹いた花を実が生る前に選定し、結実時期を遅延するという方法を発見。

最終的に、2009年以降、農家の方々は”6~8月出荷組”と”12~2月出荷組”に分かれることとなりました。
今ではいつでも美味しいドリアンを食べる事が出来ますが、これはドリアン農園の研究と管理の賜物というわけです。

栄養満点なドリアンの健康効果も紹介!

いかがだったでしょうか。
すでにドリアンを食べまくっている方も、ちょっと苦手な方も、この記事がドリアンを試す足掛かりや選ぶ際の参考になれば幸いです。
筋トレブログらしく、ドリアンの栄養素や健康面について解説している記事もあるので、良かったら読んでみて下さいね。

この記事のおさらい

同じ品種でも、名前が複数ある場合があるので注意
それぞれに味の特徴があるので、お気に入りを見つけよう
偽物には要注意!