こんにちは、トレすけ (@Toresuke_Blog) です。
実はこの2月、諸事情で一時帰国が必要となり、日本で過ごしていました。
そんな中、改めて気付いたことがあります。
それは「さまざまな商品の容量が減って、小さくなった」コト。
しかし、何故か値段は据え置き。
つまり……物価、更に上がってない?
確かに、僕が海外に拠点を移す前から、そんな兆しはありました。
今回は、約4年ぶりに日本に帰った僕が、離れていたからこそ実感できる日本の物価上昇についてお伝えします。
目次
特に値段が上がってしまったと感じる製品・商品
やはり特筆すべきは以下の二つです。
- 食料品
- ガソリン
当然ながら、どちらの商品も100%国産で賄うことは出来ず、輸入コストやら、産出国の状況やらで変動するのは理解できます。
しかし、ガソリンは価格に直接反映されるので、購入者が感覚的に分かりやすい値上げとなっているのに対し、食料品はどうでしょうか。
- 同じ商品を買っているのに、昔に比べて食べ終わった後の満足感が低い
- パッケージのサイズやキャッチフレーズなど、外見の印象と比較して明らかに内容量が少なく感じる
- 無駄な梱包や、容器でスペースを取っており、可食部が少ない
最近、このような事を感じたことは無いでしょうか?
こういった商品に対して、企業側は商品の値段やパッケージのサイズを変えずして内容量を減らすといった、消費者に気付かせない形での値上げを行っていることがあります。
よく値上げの具体例として挙げられる商品「ポテトチップス」
「商品の値段やパッケージのサイズを変えずに内容量を減らす」という形での値上げを古くから行っている商品があります。
それはポテトチップス。
ここでは、1975年に発売されたカルビーのポテトチップスを例に解説します。
レギュラーサイズ | ||
---|---|---|
年月日 | 内容量 | 参考小売価格(税別) |
1975年~ | 90g | 100円 |
1976年~ | 95g | 120円 |
不明 | 100g | 不明 |
1999年~ | 90g | オープン価格 |
2002年3月時点 | 107g | オープン価格 |
2003年10月頃~ | 90g | オープン価格 |
2007年1月~ | 85g | オープン価格 |
2008年11月~ | 85g | 値上げ |
2008年11月~ | 85g | 141円 |
2019年6月~ | 85g | 148円 |
2022年2月~ | 80g | 148円 |
たべきりサイズ | ||
---|---|---|
年月日 | 内容量 | 参考小売価格 |
2002年3月時点 | 70g | オープン価格 |
2007年1月~ | 65g | オープン価格 |
2008年11月~ | 60g | 111円 |
2019年6月~ | 60g | 120円 |
2022年2月~ | 60g | 130円 |
これだけ見ると、年数の割にはわずかな値上げのように見えるかもしれません。
しかし現在、スーパーなどで出回っているサイズは「たべきりサイズ」と銘打たれた小さいパックが主流。
当初は100g近くあったレギュラーサイズから、たべきりサイズの60gへと徐々に商品を入れ替え続けているため、量が少なくスカスカになったと感じる人が増えたのです。
ステルス値上げの正体「シュリンクフレーション」
ネットではステルス値上げなどと言われ度々話題になっていますが、こういった値上げはシュリンクフレーションと呼ばれます。
これはアメリカの経済学者/起業家であるPippa Malmgren氏により作られた造語で、収縮を意味するShrinkと、価格上昇を意味するInflationを合わせてShrinkflation(シュリンクフレーション)となったようです。
何ともキャッチーでしっくりくるネーミングセンス。
口に出して言いたくなりますね!
シュリンクフレーションによる企業側のメリットとイメージ低下
もちろん消費者もバカではありません。
やり方が露骨になるにつれ、こういった値上げに気付く者が増え始めます。
中でもシュリンクフレーションを世に知らしめた有名な事件である、2017年の「明治おいしい牛乳」パッケージリニューアルについて解説します。
デザインはスタイリッシュで、キャップも付いて利便性も向上したと思ったら……
内容量が1ℓから900mlに1割減。
さらに、当時行われたインタビューにて「値上げなのでは?」というインタビュワーのツッコミに対し、明治側は「価格については答えられない」と発表。
そしてWEBサイトには、リニューアルの理由として以下のような購入者側のメリットを掲げました。
シュリンクフレーションに怒り心頭の消費者たち
内容量を減らしておいて、持つための筋肉の負担を軽減してあげました!など、消費者が到底納得するわけもなく、当然様々なWEBサイトで炎上。
高齢者も子供も、100ml減って持てるようになったなんてことはなく、1ℓボトルが持てない人のほとんどは900mlボトルも持てません。
明治最大のミスは値上げの理由をあたかも消費者の為であるような見せ方をしてしまったこと。
要するに、まるで政治家のようなムーブに顧客が不信感を募らせてしまった、というのが事件の概要です。
このような商品の改悪は、以下のサイトなどに詳しくまとめられています。
素直に値上げして、逆に心証が良くなるケースも
「おいしい牛乳」のリニューアルと同時期、同じく製造コストに悩みを抱えていた赤城乳業の「ガリガリ君」。
明治とは全く別のアプローチから、消費者の心証を損ねることなく値上げに成功したケースもあります。
2016年、赤城乳業が行ったのはなんと値上げに対するお詫びの広告。
当時の60円から70円に値上げするとのことで、社員が一斉に頭を下げる演出が話題となりました。
それを受け、「むしろ、よく今までその値段を保ってくれた」「正直に値上げ理由を告白してくれて好感が持てる」といった声が相次いだようです。
どんな会社でも客をナメずに、誠実な対応をすること大事!
明治はリニューアルの後、「牛乳4月から9月期の営業益が9%減」「要領を減らしたおいしい牛乳が振るわず」と発表。
対して赤城乳業は、「値上げ後のガリガリ君の売り上げが10%増」となりました。
「騙すことは良くない」なんて、小学生でも知っていること。
不誠実な対応は心証を損ね、元は魅力的な商品であろうとも人々を不買衝動に走らせます。
賃金が上がらず、物価も上がらない(ように見える)日本。
どちらも上がっていくのが普通ですが、このままだと将来の生活は大変なことになってしまうのではないでしょうか……。
というわけでみんな、一度海外に出よう!!
……変なまとめ方?
この記事のおさらい
いかがだったでしょうか。
デフレは日本が抱える社会問題の一つ。
しっかりと認識し、自分の生活が脅かされないように対策しましょうね!
もしこの記事に反響があれば、次回は今回触れることができなかったセブンイレブンの商品が軒並みサイズ縮小、改悪されている件について書きたいと思います。